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お手入れの季節です(其ノ弐)

ヴァイオリン属
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キッカケはバイオリンを調整に出した時に試奏したチェロがとても心地良かったことでした。
それを盟友・沈さんに伝えたところ…

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これが引き金になりました(無断転用深謝)。


いまになって読み返すと、背中を押す…なんてレベルではなく、正面からグーパンチ的な押しですね。さすが沈師匠です。

で、まぁ。20万〜100万越え(最高値350万でした)までの幾つかのチェロを試奏しましたが、とにかく選ぶのが難しいですね。

一本目から100万…は無理でも、試奏したところ20万よりも50万、50万よりも80万、80万よりも100万越え…の方が物理的に弾き易い(鳴らし易い)し、音色も豊潤に感じることが多かったのですが、それぞれの価格差が、それに見合っているのか否か…これが判断できませんでした。

20万から80万のチェロに持ち替えると、その瞬間は価格相応に違うもんだな…と思うのですが、その後50万に持ち替えると「あれ…これも80万?」と感じてしまい、その後更に20万に戻ると「あれ…これは50万?」などと、もうわけがわからなくなります。

弾ける人は勿論のこと、感受性の豊かな人であれば、その違いが判るでしょうし、経済的に豊かであればナンでも買えば良いのですが、懐具合も感受性も貧しい入門者には、とても判断がくだせません。


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そんなこんなで一ヶ月以上試奏ばかりしているうちに、しびれが切れてしまい、とにかくチェロが手元になければナニもはじまらねぇよ!…と言うことで、その時、机の上の貯金箱に入っていた金額で、格安中華製チェロのSTENTOR SC-650をポチッ。。。と、言うのが昨年の8月のことでした。

さんざん試奏した挙句に、店頭販売していない安価なチェロを選択してしまったわけですが、20万を選べば50万にしておけば良かった…50万を選べば、もうちょっとだけ頑張って80万にすれば良かった、もしくは20万で良かった…などなど、後ろ向きな発想をするタイプなので、傷痕が残らないように安価なチェロを選択すると言う、まったくもって思い切りの悪さは天下一品です。

安価な中華製ですから、工作の雑さは織り込み済みで開封しましたが、指板端での弦高がA線8mm、C線11mmと、けっこうな高さで、なおかつ駒の脚が浮いている状態で、しばらくすると、幾つかのポジションで音が反っくり返るようになってきました。

やっぱり20万にしておけば良かったなぁ…と、購入早々から、傷痕が付いてしまいました。

交換の申し出も考えましたが、この時期、家族の体調不良なども重なっていたため、交換手続きすら面倒に思えたので、手っ取り早く、自分で駒脚を削ることにしました。


…が、無謀でした。


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なかなか駒脚を揃えることが出来ず、気がついたら、指板端でA線4.5mm、C線6.5mmまで削ってしまいました。
指が折れそうな押弦は解消されましたが、D線の「F」は相変わらず反っくり返えったままで、A線ではビビリ多発の大失態です。

わりと悪評の少ないチェロ本体だったので選びましたが、個体差は勿論のこと、あくまでもプロの調整が前提の評価だったのかもしれません。

仕方ないので、駒交換と調整をしてもらおうと思って、最初に問い合わせた工房では「この価格帯のチェロの調整は、楽器の購入価格に近いか、それ以上の費用が掛かる場合もあるので、見積もりは出せるけど、工房よりも販売店に相談した方が良いかもしれない」…と、とても哀しい現実と対峙することとなりました。

幾度となく、懲りずに繰り返す、典型的な「安物買いの銭失い」ですね。

やる気満々で「完全5度化人生宣言」なんぞをしましたが、駒脚を削ったり、指板をヤスリがけしたりと、なんだかんだと手を入れているので、交換なんぞはしれくれないでしょうし…早々に気持ちが折れてしまい、その後は、フラットマンドリン、アイリッシュブズーキやギターを購入したので、長らく放置状態が続きましたが、チェロならではの音域や音色が恋しくなって、時々、調弦してピッチカートで鳴らしたり、もしかしたら時間経過で自然治癒しているかも…などと思いつつボウイングする度に、裏返った音を耳にして切なく過ごしていました。


今回は、お手入れついでに、こんな専用工具と、未加工の駒を入手して、懲りずに駒をこさえてみました。


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駒脚はそれなりに密着して(いるように見えます)、弦高は指板端で、A線5mm強、C線7.5mmです。
全体的に音量が上がったけど、D線の第1ポジションの「F」は反っくり返ったままです。。。

「ウェルナー・チェロ教則本Part1」では、第1〜第7ポジションまでの基礎練習が記載されていて、総頁数80頁強のうち、50頁までが第1ポジションの練習です。
他の入門者向け教則本では一冊まるまる第1ポジションだけと言うのもあるくらい、チェロと言う楽器は、第1ポジションでの基礎練習が、とにかく長いと言うか多い楽器のようなので、なんとか第1ポジションだけでもストレス無く鳴って欲しいのですが、なかなか思い通りにはいきません。。。


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上の画像は、通称「カザルス巻き」と言うそうで、判りにくいかもしれませんが、D線とA線の巻き位置を入れ替えてあります。
通常、D線を巻くペグにA線を、A線を巻くペグにD線を巻くだけなので、これが効くとは思っていませんでしたが、ダメもとで作業したところ…


効きましたよコレ。

これまで、どこをどー鳴らそうが、そっくり返っていたD線の「F」が、ネック寄りに限定されますが、その位置でボウイングすると、反っくり返りません。
位置限定と言うのが、月に叢雲花に風…と言う感じではありますが、あまりにも呆気ない方法で解決しました。

取り敢えず、これで第1から第7ポジション(フレテッドだと15フレットかな)までは、不必要なストレスを抱えずに鳴らすことが出来ます。



弦の巻き位置を変えただけで、音が変わるチェロと言う楽器は、寛容なのか神経質なのか判りませんが、購入当初から裏返っていた音を、ネット情報を頼りに、自分で解決できたのは嬉しいものでして、どこをどれくらい徘徊したかは覚えていませんが、世界各国の諸先輩方のブログに感謝しています。


さて。鳴るようになった…と言うよりも、音が反っくり返らなくなったチェロですが、新たな問題は、全体的に音量もアップしたので、騒音問題を引き起こさないように、練習する時間帯に気を配らないといけませんね。。。

そ~いえば楽器と一緒に購入したチェロ用のミュートは、どこにいったのかな。
ミュート探しが最優先課題になった、お手入れの季節です。

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Comments 2

10key  
Re: 沈師匠に感謝m(_ _)m

新陳代謝があってこその人生でございます。新しい(楽器との)ご縁を活かしましょう。

10ヶ月も放置しておいて何だけど、いや、ほんと、やっぱりチェロの音って(音がそっくり返らなければ)心地良いです。そっとグーパンチを添えて下さった沈さんには感謝しています。
ワンタイムレッスンの予定を組むのも難儀な状況なので、独学が続きますが、先を急がず、ゆるゆると楽しめればと思っています。

2018/04/28 (Sat) 20:45 | EDIT | REPLY |   
沈さん@ForestSwing  

改めて読み返してみても、あくまで「そっと」手を添えただけだと思います(笑)。
で、僕も「もう新たにギター買わない」なんて言ってますが(;^ω^)。。。

でも絶対似合うもん!(*´Д`)。
チェロってコントラバスよりも何だか「思慮深い」って感じがします。バスと違ってそれだけで成立する低音界の「オトナ」って感じで、僕もそっち方面に行くなら絶対チェロ!です(^-^)。

さすがに行かないけど(^-^;。

2018/04/28 (Sat) 19:04 | EDIT | REPLY |   

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