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初体験

ぎたー
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生まれて初めてクラシックギターのリサイタルへ行ってきました。

お昼どきにクラシックの名曲からポピュラーソングまで、一流の演奏を手軽な料金で楽しめる…と云う謳い文句で、シリーズ化している(らしい)「浜離宮ランチタイムコンサート」と云う催しで、奏者は、昨年からCDで愛聴している、福田進一氏です。


ここ数年は、食事制限のある父親と、認知症の母親と同居しているため、仕事以外で、家を空けるのが難しいのですが、昨年、はじめて福田進一氏のCDを聴いてから、なんとか機会をこさえて、演奏を聴きたいと思っていたら、うまい具合に、お手頃な価格でのリサイタルが催されることを知り、この日のためにスケジュールを組み、なんとか足を運ぶことが出来ました。

クラシック・ギターのソロ・リサイタルも、福田進一氏も、浜離宮ホールも、なにもかもが初体験なので、この日の出来栄えが良かったのか否かの比較対象は何もありませんが…

  
とにかく素晴らしかったです。


ピアニシモは、雫が落ちた水面の波紋のように揺れ、フォルテッシモは強く押し寄せる波のように…
などと、陳腐な表現しか出来ない自分が恥ずかしいけんど、いや本当に、ギター一本で、会場全体の空気を、緩急自在に揺らしていました。

映画や小説のように、作り手の目指す道筋を追うのではなく、言葉が不在が故に、聴く側が、喜怒哀楽を自在に紡ぐことが出来る奥行きの深さと、それを時には優しく、時には強く誘う福田進一氏の発想力と演奏技術の素晴らしさに、ただただ酔い痴れるばかりでした。

特に、CDでは幾度も聴いていた、お気に入りのブエノスアイレスの冬、夏では、思わず、目が潤んでしまい…初体験で泣かされた俺でした。

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ライブへ足を運ぶと時々感じるのが、CDと(基本的に)同じ譜面で演奏された曲なんだけど、違う「音楽」だと云うことです(そうでないライブも間々あります)。

オーディオシステムや視聴環境による音質の問題だけではなく、欠損無しの、完全無欠な状態に加工するレコーディングや、口パクが通用するライブと違って、ミスタッチも含めて誤魔化しが通用しない分、良い演奏も、そうでない演奏も、全てをひっくるめて、とても刺激的だし、ある種の寛容さ(奏者も聴衆も)もあって、とても人間的で、まさに音楽とは音を楽しむと書くのだよ…って感じがします。

こうした素晴らしい演奏を聴くと、世界的に有名な毒舌系指揮者チェビちゃんこと、チェリビダッケ氏が、レコードは自慰行為でしかないと言い放ち、生涯、正式な録音を認めなかったと云う姿勢(黙認はした)にも頷けます。


ちなみにセットリストは…

マヌエル・ポンセ:ワルツ、エストレリータ、ルンバ、ソナタ第3番ニ短調
エイトル・ヴィラ=ロボス:ブラジル民謡組曲(マズルカ・ショーロ、ガボット・ショーロ)
アストル・ピアソラ:ブエノスアイレスの冬、ブエノスアイレスの春
アグスティン・バリオス:大聖堂、アレイ・デ・サンバ、郷愁のショーロ、ワルツ第4番、パラグアイ舞曲第1番

アンコールにはサッチモの、この素晴らしき世界。

11時半開演で、途中15分の休憩を挟んで、13時頃の終演でした。


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帰宅後は、火照った魂を鎮めるため、安価なギターを抱えたけど、音を音楽に昇華させるには、ほど遠いと云うか…次元の違う現実の自分に直面して、心が折れるわけですが、まぁ、少なくとも、音を楽しみたいと願う、魂の根っこは同じ…と思って、今日もポロンポロンとギターとウクレレを練習するのでした。


そうそう、それと、今回のリサイタルは平日の昼どきでしたから、高齢者が多かったです。
開演前、前席の年金トリオは「膝が痛い」とか「あら、◯◯さんは亡くなったわよ」などの会話で盛り上がっていて、メランコリックな曲になると、盛大に船を漕いでいたので、クラシックギターや、南米音楽に興味があったのではなく、主催(朝日新聞社)の関係筋だったりする人が多かったのかもしれません。

おそらく、俺は若い世代に入りそう…そんな客層だったことも、ここ最近は無かったことなので、ちょっとおもしろく感じつつも、若い人たちも聴きにくるような働きかけを業界が仕掛けないと駄目でしょ…とも思いました。


さて、来週も、福田氏の演奏を聴きに行く予定です。
こちらは、福田氏のソロ・リサイタルではなく、氏を含め、国内の有名な奏者が集ってのリサイタルなので、こっちも、めちゃくちゃ愉しみにしています。


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Comments 2

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10key  
Re: 俺には沈さんの演奏も心の栄養です(^-^)。


感動した道具と同種が故に、それを扱う奏者次第であると云うことを、つくづく思い知らされますわ(;O;)
同じ人類が演奏しているのか?と疑うくらい Fantastic な違いですね ^^;
明後日は、今回の福田進一氏を含め、5人のギタリストが集うリサイタルへ足を運ぶ予定です♪

2017/02/02 (Thu) 20:59 | EDIT | 10keyさん">REPLY |   
沈さん@ForestSwing  
いい音楽は心の栄養ですよね(^-^)。

いい音楽を聴いて感動する。
それって本当にステキで素晴らしい事だと思います(^-^)。
まぁ落語とか舞台とか映画なんかもそうですけど。
で、帰宅して感動した「道具」と同種のものを触れる幸せも(*´Д`)。
だから楽器はFantastic♪。

2017/02/02 (Thu) 18:21 | EDIT | REPLY |   

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